ステンレスカーのながでんは、元営団3000系
3500系


【小布施駅】1999.08

銀座線、丸の内線と第3軌条から台車で集電していた営団地下鉄に、初の1500V架線式車両として投入されたのが日比谷線用の3000系。東武鉄道と東急電鉄との相互乗入運転のためにパンタグラフ集電が必要になった。東京オリンピックの年に日比谷線開通とともにデビュー。長野冬季オリンピックに備えて、2500系に替わる車両増強と合理化を計画していた長野電鉄にやって来た。2500系は元東急の5000系だから、私が通勤に使っていた東急5000系と日比谷線3000系が、高校時代に通学に乗っていた長野電鉄に来たのは何かの縁か。

登場したばかり日比谷線3000系は連結器の部分も一体になったスカートのようなもので覆われていたと思う。鉄道雑誌でその姿を見たときは先頭部分のステンレスのカーブが強烈で正直言って「こりゃ、でこっ八だなっ。」という印象を受けた。東京に来て実車を見たときは保守をやりやすくしたためかスカート部分は取り外されていた。その後ベンチレターの形状変更、客用扉の小窓化を受けた姿で長野へ来た。

ながでんでは、長野方パンタグラフの撤去、勾配区間に備えた抑速ブレーキの新設、耐雪ブレーキの新設、列車無線の2500系からの載替などの改造工事が施され3500系となった。窓の上下に赤色の帯を巻き、正面窓上のNAGADENがアクセント。河東線には旧形の1500系が専用車両としてワンマン化されて走っていたが、この置換用に改造されたのがモハ3521以降の6編成。運転室仕切扉の撤去と料金箱・整理券券売機・運賃表示器の設置、案内放送用機器の設置、中間扉を締切とするためのスイッチ取付などが3000系と異なる改造点。


ワンマン用の運転台まわり。
手前は運賃箱、上に運賃表がある。
運賃表も整理券も
ほとんどワンマンバスと同じ形。

ほとんどの駅は先頭の扉しか空かない。
運転手さんが切符を集めるため。
井上駅の待合室にあった。

運賃箱は
レールで前後に動かせる。


駅のホームにはバックミラーと開く扉の位置を知らせる白線がひいてあった【井上駅】

従って外観は、赤い帯と屋根上の列車無線を除けば、日比谷線を走っていた当時とほとんど代わりはない。私が3500系を初めて見たのはモハ3500+モハ3510が入線したばかりの頃。まだOSカーの0系、2500系が主力だった。屋代駅と須坂駅に日比谷線から来たばかりの姿で大量に留置されていた。その後、冷房化が進められた。む

当初は河東線だけだったワンマン運転も山の内線を除いて全路線に拡大。特急もワンマンになって各駅のホームに大きなバックミラーが取り付けられた。その後、特急「ゆけむり」、「スノーモンキー」が登場すると車掌常務に代わった。

普通列車にも東急8500系が入線するようになると、冷房化されていない車両から廃車に。木島線、屋代線の休止で路線も短くなり、冷房された車両も廃車されて始めている。3501+3511の編成は東京メトロへ返却、復元、千代田線綾瀬検車区に保存されている。


須坂駅に留置されている1500系と事故にあった3500系の前を走り抜ける。
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事故にあった車両の代わりか修理用かわからないが、日比谷線のままの車両が来たと
思っていたら、ずっと置かれているのど部品取り用のようです。
【須坂駅】

3600系

←湯田中         ■ 制御車(クハ) 電動車(モハ)          長野→

L 1

クハ3651
モハ3601
モハ3611

    廃車

L 2

クハ3652
モハ3602
モハ3612

L 3

クハ3653
モハ3603
モハ3613

    廃車

3500系
N 1

モハ3501
モハ3511

    廃車、東京メトロへ返却、千代田線綾瀬検車区に保存

N 2

モハ3502
モハ3512

    廃車

N 3

モハ3503
モハ3513

N 4

モハ3504
モハ3514

    廃車

N 5

モハ3505
モハ3515

    廃車

N 6

モハ3506
モハ3516

N 7

モハ3507
モハ3517

N 8

モハ3508
モハ3518

O 1

モハ3521
モハ3531

    廃車

O 2

モハ3522
モハ3531

O 3

モハ3523
モハ3531

    廃車

O 4

モハ3524
モハ3531

    廃車

O 5

モハ3525
モハ3531

    廃車

O 6

モハ3526
モハ3531

    廃車



【須坂駅】
初めの編成が入線し始めた頃の3500系。
右に見えるのは0系、まだ廃車されずに走っていた。



【須坂駅】
廃車されても解体されずに留置されている2500系T2編成と並ぶ。


【信州中野駅/2002.08.17】
3500系は現在冷房化がすすめられている。

 
【須坂駅/2005.08.21】
車体が広告化されている。
 
【村山橋/2005.09.03】
右は新しい橋。
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模型制作MEMO

Nゲージなら、グリーンマックスの東急7000系キットに日比谷線3000系の先頭部が付いてくるので比較的簡単か。一度チャレンジしようと思ったが、ベンチレターが登場当時の初期のタイプしか付いてなくて、客用扉も現在の小窓にすると大変そうなので、手をつけるのをやめたまま。銀色の塗装をすると切り継ぎのアラが目立ちやすいから。

マイクロエースから営団3000系が発売されたので、オビを加えてクーラーを乗せれば比較的簡単に作れると思う。クロスポイントからも営団3000系のキットが発売されたと思う。