ながでん情景のおと


もともと模型車両づくりの資料のために写真を撮ったが、その合間にレイアウトづくりのための情景写真も結構撮影している。駅舎や駅構内などの外観や施設が多い。別に昔の様子を記録するつもりではなかったが、市街地立体化でレールが地下に潜ってしまった長野・権堂駅付近は、今では見ることのできない“なつかしい情景”ということになる。個人的には、こういう写真が“好き”なこともあって、ページにしてみた。

地下になる前の長野駅

ホームの中央を日通へ行く道路が横切っていた。だから乗客はホームの先にためには、一度道路に降りて、またホームに登らなければならない面白い形態。日通から国鉄へレールが通じ、まだ長野駅でも貨物扱いをしていたので、北海道の定山渓鉄道から来た電気機関車DE5100が貨物の先頭に立っている。
駅員が見送る電車は1967年のローレル賞を受賞した通称OSカー、0系。地方私鉄でも首都圏並みの4扉を持った20メートル級通勤用車両。通勤時以外は2扉のみ開閉で運行するなどしていたが廃車になってしまった。東急5000系改造の2500が主力になり、大形の4扉が廃車を早めたのかもしれない。この後増備された新OSカーは2500系に合わせて3扉になった。

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右は現在の長野駅。地下になり、荷物扱いもしなくなった。当然、レールは国鉄とは結ばれていない。特急2000系は旧塗装でクーラーも未装備の姿。


桐原駅


撮影当時のながでんの駅は跨線橋はなく、向かいのホームに行くのにはレールを横切って渡る方式。車庫のある須坂駅だけ、地下道があった。長野線の桐原駅は郷土玩具の「わら馬」で有名で、駅の入口の左のガラスケースに「わら馬」の現物が飾ってあった。
まず本郷駅がステーションデパート内の橋上駅になり、現在では桐原駅も跨線橋で向かいのホームに行く。須坂駅も跨線橋に変わった。以前は模型資料のために車両の屋根を撮影するポイントは、バイパスがオーバークロスしていた柳原駅近くの陸橋からしか撮影できなかったが、現在なら駅の跨線橋からも撮影は可能になった。


権堂駅の踏切


地下駅になる前の権堂駅の須坂方向の踏切。小さな小屋があって、旗を持った女性の踏切手がいた。右の裏は、長野電鉄の観光バスの発着所になっていて、さらに進むと本社・権堂駅に通じていた。ここも線路が地下になり、現在は長野大通りという名称になって、広い道路が走っている。権堂駅のあった場所も現在は長電権堂ビルになりイトーヨーカドーが入っている。


信濃吉田駅の変電所

長野電鉄は開業当初から電化を予定し、客車はモーターさえ装備すれば電車になる“電車形客車”を計画、発電所と変電所も電気供給事業兼営認可を受けて建設している。
発電所は樽川第一・第二発電所があり、変電所は中野、綿内、信濃吉田の3カ所にある。
市街地立体化とCTC集中管理になり、この変電所も昭和53年にシリコン整流器を2台設置、駅舎の建替え、測線の撤去もあって風景はまったくちがうものになっている。。
この写真はレイアウトを計画したら取り入れたいなっ、と思い撮影したもの。


柳原駅近く陸橋から


旧塗装の200系が走り抜ける



電車の合間に、片方のレールに車輪を乗せた手押し車を引いて、線路点検をしている様子に出会ったのが右。
レイアウトのアクセサリーにピッタリの情景。夏だったので編み笠をかぶっているのもいい

柳原陸橋が私の撮影ポイントだったことはプロフィールに詳しく書いた。陸橋なので吹きっさらし。冬で雪が降ると寒かったし、夏は暑く、車が横を走り抜けるので、大形トラックなどは排煙がすごく、あまりいい場所ではなかったけれど、屋根の以外にも走行写真やそれ以外の情景も撮影することができた。




左は600系が陸橋から出てきた。屋根の上に板が敷かれている。603・604は山の内線配区間用に車輪冷却用の水槽を屋上に乗せていたというが、これはその跡なのだろうか。


特急2000系がやってきた。
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このバイパス柳原陸橋の下をながでんは単線で(一駅手前の朝陽まで複線)走っているが、陸橋下の線路スペースは複線分とってある。将来、複線区間を延長できるようにスペースを確保してあると聞いたことがある。いずれにしても開業時に最大の難関となった村山鉄橋が複線時にも問題になる。

長野在中の大日方さんからメールをいただき、「柳原陸橋下に見える複線用地は柳原駅から千曲川に伸びていた砂利採取線の跡で す。この陸橋が出来たとき、すでに砂利線の役目は終わっていたように思う。 ちなみに長電の砂利線は河東鉄道開通当初、赤岩にあったが、その後、柳原、さ らに金井山にもできたというがこの点は曖昧です。」ということです。複線用のスペースをとってあるのではありませんでした。


柳原駅の架線点検用台車


大きな画像でアップしたのは、手前のレールから外された台車の下にいる「ネコ」が見えるかなっ、と思ったから。柳原駅の片隅に架線点検用の木造台車が置いてあった。これもレイアウトを作ったときにいいかも、と思って撮影したもの。無蓋貨車との間の木造4輪台車も面白い。